寒い冬場にありがちなのが、「フローリングが冷たい」「足元が冷える」といったお悩みです。
フローリングは冷たく感じやすいイメージがあるかもしれませんが、暖かい床材を使用することで、冷たさをより軽減できます。
しかし、「どの床材が暖かいのかわからない」「床材の選び方を知りたい」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、岐阜県恵那市の工務店「大野工機」が、暖かい床材とは何か、無垢床が暖かいとされている理由など、以下のポイントを解説します。
●無垢床の中でも暖かい床材とされている種類を紹介します。
●無垢床と複合フローリングではどちらがおすすめなのか、選び方も含めて解説します。
目次
コンテンツ
暖かい床材とは
暖かい床材として知られているのが、天然木をそのまま切り出した無垢材を使用する無垢床です。
床材には、複合フローリングやクッションフロア、フロアタイルなどがありますが、そのなかでも無垢床はひやっとした冷たさを感じづらく、暖かい床材として知られています。
無垢床が暖かい理由
無垢床が暖かいとされる理由は、熱伝導率が低いためです。
熱伝導率とは、物質が熱を伝える速度を示す指標で、数値が低いほど熱が伝わりにくいことを意味します。
例えば、床や壁に使われるタイルの熱伝導率は1.3W/m・K、複合フローリングの熱伝導率は0.2/m・Kですが、無垢材の熱伝導率は約0.12~W/m・Kです。
この通り熱伝導率が低いことから、無垢床は体温をすぐに奪いません。
そのため、他の床材に比べて冷たく感じづらく、とくに冬場は暖かいと感じさせます。
また、無垢材は加工を最小限にした自然素材で、その内部は細胞の集合体です。
パイプ型の細胞内には多くの空気が含まれており、断熱材のような役割を果たすことから、保温性も高いとされています。
暖かい無垢床材の種類
無垢床だからといって、どの種類であっても暖かいわけではありません。
無垢床は、大きく分けて針葉樹・広葉樹の二種類がありますが、このうち暖かい床材とされるのは針葉樹系の無垢床です。
無垢材の種類 | 代表的な樹種 | 暖かさ |
広葉樹 | ヒノキ、スギ、パインなど | 暖かく感じやすい |
針葉樹 | オーク、メープル、バーチなど | 暖かく感じにくい |
針葉樹系の木材は、内部の細胞が細かく整列しており、空気の層が厚くなっています。
より多くの空気を取り込めるため、広葉樹よりも熱伝導率が低くなることが、暖かい床材とされる理由です。
無垢床であれば床暖房はいらないは本当か
「無垢床であれば暖かいから、床暖房はいらない」という説を聞くことも多いかもしれませんが、実際のところ、無垢床であれば床暖房はいらないと言い切れません。
種類によって差は生じるものの、無垢床は他の床材に比べて暖かいのは事実です。
しかし、それは無垢床自体に暖かくなる作用があるわけではなく、熱伝導率の低さゆえに冷たく感じづらいことを意味します。
そのため、「足元から暖めてほしい」「床自体が暖かくなってほしい」とご希望の場合、無垢床だけでは効果を感じられません。
一方、足元からのひんやり感を防ぎたい場合は、無垢床で十分に効果を感じられます。
無垢床でも床暖房を使えるのか
「無垢床を使用するのに加え、床暖房も導入したい」という場合、不可能なわけではありませんが、無垢材選びには注意が必要です。
無垢材は自然素材のため、温度や湿度の急激な変化に弱く、床暖房を使用すると反りや割れが生じやすくなります。
無垢床でも床暖房を使用したい場合は、特別な熱処理が施され、床暖房にも対応可能な無垢材を選ばなければなりません。
床暖房に対応できる無垢材は限られているため、もしも導入を検討している場合は床材選びに注意しましょう。
暖かいだけじゃない無垢床のメリット
無垢床のメリットは、冷たく感じにくい点だけではありません。
ここからは、無垢床ならではの4つのメリットを紹介します。
室内の湿度を調整できる
無垢床の大きなメリットの一つが、調湿性に優れている点です。
天然木から作られている無垢材は、湿度が高い時に湿気を吸収し、乾燥している時に水分を放出して、湿度を調整できます。
この優れた調湿性によって、季節を問わず適度な湿度で過ごすことが可能です。
クッション性があり足に優しい
無垢床は、木材の中に多くの空気を含んだ層があるため、クッション性があり足触りが心地よい点が魅力です。
家事で長時間立っていた場合も、比較的足が疲れにくいとされています。
小さな傷やへこみは簡単に直せる
「無垢床は自然素材だから、メンテナンスが面倒そう」というイメージを持つ人も多いかもしれませんが、小さな傷やへこみであれば簡単に直せます。
例えば、床にへこんだ傷がついてしまった場合、霧吹きなどで水分を含ませて、当て布の上からアイロンをかければ、無垢材が蒸気で膨らんで傷が目立ちません。
経年変化でより美しくなる
経年変化によって美しさを増していく点は、無垢床の大きなメリットです。
無垢材は天然木から切り出された自然素材のため、年月の経過とともに表情を変えていきます。
色合いが深くなっていく、木目がよりはっきりする、ツヤが出てくるなど、さまざまな変化を楽しめるのは無垢床ならではの魅力です。
無垢床と複合フローリングどちらがおすすめか
無垢床にさまざまなメリットがあることがわかったところで、「無垢床と複合フローリングならどちらを選ぶべきか」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
ここからは、無垢床と複合フローリングの違いや、それぞれどのような場合におすすめか解説します。
無垢床と複合フローリングの違い
無垢床と複合フローリングの違いを表にまとめると、以下の通りです。
特徴 | 無垢床 | 複合フローリング |
素材 | 天然木100% | 合板や集成材に天然木を貼り合わせる |
質感 | 自然な風合いと温もり | 木の温もりを感じにくい |
価格 | 比較的高価 | リーズナブル |
耐久性 | 耐久性が高く 経年変化で美しさが増す |
無垢床に比べると耐用年数が短い |
メンテナンス | 反りや傷に弱い こまめなケアが必要 |
メンテナンスがしやすい |
調湿性 | 調湿効果がある | 調湿効果なし |
香り | 木の香りが感じられる | 木の香りをあまり感じられない |
デザインの種類 | 自然な木目が楽しめる | 多様なデザインが選べる |
このように、同じく木材から作られた床材であっても、天然記100%の無垢床か、人工的な複合フローリングかによってさまざまな違いが見られます。
無垢床と複合フローリングで迷った場合の選び方
無垢床と複合フローリングで迷った場合、次のポイントに沿って判断することをおすすめします。
無垢床がおすすめの方
以下の条件に該当する方には、無垢床をおすすめします。
- ・天然木の質感や香りを楽しみたい
- ・優しく暖かい質感を求める
- ・経年変化を楽しめる
- ・予算にゆとりがある
自然素材ならではの風合いや暖かみ、経年変化を楽しみたい場合に無垢床をおすすめします。
複合フローリングがおすすめの方
複合フローリングをおすすめしたい方は、以下の条件に該当する方です。
- ・コストパフォーマンスを重視する
- ・メンテナンスが簡単なフローリングを求める
- ・反りや収縮を気にしたくない
費用をできる限り抑えたい場合や、傷がつきづらい床材を選びたい場合、複合フローリングをおすすめします。
無垢床を選ぶ際は施工会社選びに注意
暖かい床材とするために無垢床を採用する場合、施工する会社選びに注意が必要です。
無垢床は、誰でも適切に扱える床材ではありません。
無垢床の扱いに慣れた工務店・ハウスメーカーでなければ、施工精度が低く、反りや割れなどが生じやすくなる恐れがあります。
無垢床を取り入れたい場合は、無垢材を使った家づくりが得意な会社に依頼しましょう。
まとめ
暖かい床材を選びたい場合、スギやヒノキといった針葉樹の無垢床がおすすめです。
無垢床にすることで、フローリングにありがちなひやっと感を軽減し、裸足でも過ごしやすい家づくりが叶います。
しかし、無垢床の扱いは技術や知見が必要なため、施工実績の豊富な会社に依頼するよう注意しましょう。
大野工機では、1969年の創業以来、岐阜の木を使った家づくりを手掛けています。
地元材を使った無垢フローリングの施工、木の家の建築などをお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
補助金の活用方法から、最適な木材の選び方まで、詳しくご説明させていただきます。
大野工機は、昭和44(1969)年創業以来、総合建築会社として岐阜県東濃地域を中心に『顧客第一』をモットーとして“一生の宝物”となる住宅を作り続けています。
● 美しいデザインをつくります
● “ぎふの木”の家づくりにこだわります
岐阜県東濃地域で家づくりを始めたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。