家をモダンでおしゃれな印象にしたい場合、片流れ屋根はおすすめの屋根形状です。
しかし、片流れ屋根だからこそのデメリットもいくつかあるため、後悔しないためにはきちんと対策をとる必要があります。
そこで本記事では、岐阜県の土岐市や恵那市などで家づくりを手がける工務店“大野工機”が、片流れ屋根とは何か、メリットとデメリットもあわせてわかりやすく解説します。
実際に手がけた片流れ屋根の家の施工事例も紹介するので、ぜひ最後までごらんください。
●その構造上、雨漏りのリスクが考えられるため、対策を徹底しましょう。
●防水施工や排水計画を適切に行うためにも、施工実績の豊富な業者へと依頼することをおすすめします。
目次
片流れ屋根とは
片流れ屋根とは、一方向にのみ傾斜する屋根形状を指します。
屋根面が一枚で構成されており、片側から反対方向へと流れるような勾配がある点が大きな特徴です。
シンプルでスタイリッシュな外観が人気を集めており、近年は多くの住宅で取り入れられています。
片流れ屋根のメリット
片流れ屋根を採用するメリットは、次の6点です。
シンプルかつモダンでおしゃれな外観になる
片流れ屋根は、シンプルでモダンな外観に仕上げたい場合におすすめの形状です。
一枚の大きな屋根面で作られることから、無駄がなくスタイリッシュな印象を演出できます。
より洗練された雰囲気を出したい場合は、軒の出や勾配を控え目にすると効果的です。
建築コストや初期費用を抑えやすい
片流れ屋根は構造がシンプルなため、建築コストや初期費用を抑えやすい点も大きなメリットです。
他の屋根形状の場合、接合部分が複雑であったり、雨樋や屋根周辺の部材が多かったりと、建築コストが膨らんでしまいます。
一方、片流れ屋根は設計や施工が比較的容易のため、工事費や材料費を抑えることが可能です。
居住空間や屋根裏(ロフト、小屋裏収納)を有効活用できる
片流れ屋根にすることによって、広い屋根裏スペースを確保でき、さまざまな用途に活用できるのもメリットです。
例えば、屋根裏にロフトを設けて収納スペースとすれば、居住空間を圧迫することなく収納力を確保できます。
住宅面積が限られる中、スペースを無駄なく活用するためにおすすめの屋根形状です。
天井高を確保しやすく開放感のある空間が作れる
「家の中に吹き抜けを作りたい」「開放感のある家にしたい」とご希望の場合も、片流れ屋根は最適な選択肢です。
片流れ屋根にすることで屋根に傾斜が生まれ、吹き抜けや勾配天井なども取り入れることができます。
高い位置に窓を設置しやすく採光性・通風性が向上する
片流れ屋根で高さのある方に高窓や天窓を設置することで、採光を十分に確保でき、室内のすみずみまで光が届きます。
通風性も上がるため、部屋全体の風通しが良くなり、湿気がこもりにくくなるのもポイントです。
プライバシーを確保しながらも自然光をたっぷりと取り入れたい場合、片流れ屋根はおすすめの選択肢です。
太陽光発電パネルを効率よく設置できる
片流れ屋根は一枚の大きな屋根面で構成されるため、太陽光発電パネルを設置したい場合にも効果的です。
屋根全体に無駄なくパネルを設置できるため、他の屋根形状のように搭載量が減る心配がありません。
南向きに屋根面を設置することで、発電効率を最大限に高めることができます。
片流れ屋根のデメリット
さまざまなメリットのある片流れ屋根ですが、次の4点には注意が必要です。
雨漏りのリスクがある
片流れ屋根は、その名の通り片方にだけ傾斜している屋根形状のため、雨水が特定の箇所に溜まりやすくなっています。
他の屋根形状の場合、二方向以上へと雨が流れていくため雨が分散されますが、片流れ屋根の場合は分散できません。
屋根と外壁の接合部分などから雨水が入りやすいため、施工時の対策はもちろん、定期的なメンテナンスが重要です。
外壁が劣化しやすい場合がある
片流れ屋根の場合、軒の出がほとんどないデザインが多いため、外壁が紫外線や雨風にさらされやすく、劣化しやすい恐れがあります。
将来的なメンテナンス頻度やコストを抑えるためにも、耐久性の高い外壁材を採用しましょう。
雨樋への負担が大きい
片流れ屋根では、屋根が受けた雨水がすべて同じ方向へと流れていくため、雨樋の負担が大きくなってしまいます。
大雨、あるいは豪雨の際にはオーバーフローになる可能性もゼロではありません。
負担が大きければ劣化するスピードも早まるため、メンテナンスコストが膨らむことも想定されます。
雨風の影響を受けやすい
片流れ屋根は、屋根面が一方向のみに傾斜して広がっているため、強風時や豪雨時には雨風の影響を受けやすい点に注意が必要です。
強烈な台風の被害にあった場合には、屋根と外壁の接合部分から雨風が吹き込んでくることも考えられます。
万が一の場合にも安全を確保できるように、シーリング処理の劣化がないか定期点検が欠かせません。
片流れ屋根で失敗・後悔しないためのポイント
「片流れ屋根にしたが、雨漏りが多く悩んでいる」「雨樋のオーバーフローに困っている」などと失敗・後悔するのを防ぐためには、次にあげる4つのポイントを押さえておきましょう。
屋根の勾配と排水計画を慎重に設計する
片流れ屋根の雨漏り対策を徹底するためには、屋根勾配と排水計画について慎重に考慮しましょう。
仮に片流れ屋根の勾配を緩やかに設定した場合、水が屋根上に滞留してしまうため、雨漏りのリスクが高まってしまいます。
建材の劣化スピードも早まってしまうので、とりわけ雨の多い地域においては3寸(約16°)以上の勾配がおすすめです。
勾配が急になりすぎても、工事コストがかかるほか、台風や強風によるダメージを受けやすくなるため、3~5寸程度としておきましょう。
排水設備に関しては、屋根の面積やその地域の降雨量に合わせて容量を考慮し、オーバーフローが起こらぬように設計することが重要です。
雨漏り・防水対策を徹底する
片流れ屋根は、棟やけらば(雨桶がついていない方の外壁から突き出した部分)の接合部分などから雨漏りしやすい傾向にあります。
- ・防水シートを屋根全体や周辺部に施工して雨水の侵入経路を遮断する
- ・けらばや軒先に水切り板金を設置して雨水が屋根内部や外壁に流れるのを防ぐ
- ・屋根と外壁の接合部や隙間をシーリング材でしっかりと塞いで雨水の侵入を防止する
上記のような対策を徹底し、雨漏りが起こるリスクをできる限り抑えましょう。
また、軒が短いことで外壁が劣化しやすい場合があるため、屋根だけでなく外壁の点検・補修も定期的に行い、外壁からの雨漏りリスクを抑えることも欠かせません。
雨樋の清掃やメンテナンスを定期的に行う
片流れ屋根では、雨水がすべて同じ方向へと流れていきます。
他の屋根形状よりも雨樋にかかる負担が大きく、詰まりやオーバーフローを起こす可能性も少なくありません。
そのため、清掃やメンテナンスを定期的に行い、落ち葉やゴミが溜まっていないか、破損や詰まりが見られないか確認しておきましょう。
自分で清掃・メンテナンスできないわけではありませんが、高所での作業となるため、工務店などの業者に依頼することをおすすめします。
実績豊富な会社に依頼する
片流れ屋根は、モダンでおしゃれなデザインが魅力的である一方、排水計画や防水施工などに確かな技術が求められます。
そのため、片流れ屋根の家を建てたい場合は、これまでの施工実績が豊富な工務店を選びましょう。
アフターサポートも充実している業者であれば、定期的なメンテナンスにおいても頼りになります。
片流れ屋根の施工事例
<施工事例:有限会社グッドファーマシ―様 「つばめ薬局」 新築工事完成しました。>
最後に、大野工機が実際に手がけた片流れ屋根の家の施工事例を紹介します。
片流れ屋根の施工事例①
母家と離れのすべてで片流れ屋根を採用した事例です。
スタイリッシュな片流れ屋根と、無垢材を使った外壁のコントラストが印象的な仕上がりになりました。
片流れ屋根を活かした勾配天井によって、より広くゆとりのある空間となっています。
施工事例について詳しくごらんになりたい方は、こちらからご確認ください。
片流れ屋根の施工事例②
恵那市にて店舗兼住宅を施工した事例です。
シンプルな片流れ屋根にすることで、無駄のない洗練された雰囲気を演出しています。
店舗部分の屋根へとつながる部分にはバルコニーを設け、空間を無駄なく活用しました。
施工事例について詳しくごらんになりたい方は、こちらからご確認ください。
<施工事例:恵那市 有限会社グッドファーマシ―様 「つばめ薬局」 店舗併用住宅が完成しました。>
まとめ
片流れ屋根は、初期費用を抑えながらもおしゃれなデザインを叶えられる屋根形状です。
しかし、適切な防水施工が求められるほか、定期的なメンテナンスも重要となるため、施工時には実績豊富な工務店へと依頼しましょう。
大野工機では、1969年の創業以来、デザイン・機能ともに優れた家づくりを手掛けています。
片流れ屋根のおしゃれな家を建てたいとご希望の方は、ぜひ一度ご相談ください。
土地探しや補助金について、最適な木材の選び方まで、詳しくご説明させていただきます。
大野工機は、昭和44(1969)年創業以来、総合建築会社として岐阜県東濃地域を中心に『顧客第一』をモットーとして“一生の宝物”となる住宅を作り続けています。
● 美しいデザインをつくります
● “ぎふの木”の家づくりにこだわります
岐阜県東濃地域で家づくりを始めたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。