無垢材

家を建てる際、「無垢材と集成材の違いは何か」と疑問に思う方は多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、木の家づくりを得意とする岐阜県恵那市の工務店「大野工機」が、無垢材と集成材の違いやそれぞれのメリット・デメリット、選び方まで解説します。

コラムのポイント
●無垢材と集成材の違いやメリット・デメリットを解説します。
●無垢材と集成材でお悩みの場合の、選び方・使い分ける方法を解説します。

 

目次

 

無垢材と集成材の比較表

無垢材 集成材 違い

無垢材と集成材の主な違いについて、比較表にまとめました。

それぞれの特徴を簡単に把握したい方は、ぜひ参考にしてください。

比較項目 無垢材 集成材
製造方法 天然木を切り出してそのまま使用 細かな木材を接着剤で接合
強度・品質 樹種や乾燥方法により変動 安定した強度と品質
変形しやすさ 湿度変化により膨張・収縮しやすい 変形や割れが少ない
価格 比較的高価 比較的安価
風合い 自然な木目に柔らかな肌触り やや人工的な印象
調湿機能 あり ほとんどなし
メンテナンス 小さな傷なら簡単に修正可能 傷の修復は困難
施工性 職人の高い技術が必要 扱いやすく施工が容易

 

ここからは、無垢材・集成材それぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介します。

 

無垢材とは

無垢材 集成材 違い

無垢材とは、木から一枚の板を切り出して、乾燥させた木材です。

他の木材と貼り合わせることもなく、天然木そのままの木材であることから、無垢材と呼ばれています。

無垢材のメリット

無垢材 集成材 違い

家づくりに無垢材を使用する主なメリットは、次の5点です。

  • ・体に優しい
  • ・天然木ならではのぬくもりがある
  • ・耐久性に優れている
  • ・経年変化を楽しめる
  • ・傷ができても直しやすい

 

体に優しい

無垢材は接着剤を使用しないため、シックハウス症候群の原因となる化学物質を含みません。

建材にホルムアルデヒドのような化学物質が含まれていると、空気が汚染され、頭痛や目のかゆみ、目まい、吐き気などの健康障害(シックハウス症候群)を引き起こします。

近年では、「F☆☆☆☆(エフフォースター)規格」として認められた、ホルムアルデヒドの少ない建材も増えてきました。

しかし、F☆☆☆☆規格の製品であっても、化学物質を使用していないわけではありません。

無垢材であれば、天然木そのままで化学物質のリスクはないため、より体に優しい建材といえます。

 

天然木ならではのぬくもりがある

無垢材を使った木の家は、天然木ならではのぬくもりがある点もメリットです。

この「ぬくもり」とは、単なる見た目や雰囲気のあたたかみだけではありません。

無垢材は内部に多くの空気を含んでいるため、断熱性・蓄熱性に優れています。

季節を問わず快適な温度を保ちやすく、冬でも底冷えしにくい材料です。

 

耐久性に優れている

使用する樹の種類や品質、設計・施工内容、日頃のメンテナンス方法によって差は出るものの、無垢材は耐久性に優れた材料です。

無垢材で家を建てる場合、30年〜50年、場合によっては100年以上もつとされています。

「長く暮らせる丈夫な家を建てたい」とご希望なら、無垢材はおすすめの選択肢です。

 

経年変化を楽しめる

無垢材は、天然木であるが故に経年変化によって表情を変えていきます。

色が深まっていく、木目がより際立っていくなど、年月が経つにつれ変化を楽しめる点は大きな魅力です。

新築時の美しさだけでなく、10年後、20年後とまた違った味わいを楽しめます。

 

傷ができても直しやすい

無垢材は、傷がついてしまった場合に自分で補修しやすい点もメリットです。

天然木から作られている無垢材は、水分を吸って膨張するという特質があります。

ものを落とす、ぶつけるなどして傷ついた場合も、サンドペーパーで傷を削り、水を含ませてからアイロンで熱を加えれば、簡単に補修可能です。

 

無垢材のデメリット

無垢材 集成材 違い

さまざまなメリットのある無垢材ですが、使用する際には次の3点に注意が必要です。

  • ・湿気で変形しやすい
  • ・コストが高い
  • ・傷がつきやすい

 

湿気で変形しやすい

無垢材は、天然木から切り出された一枚板のため、湿気の影響を受けて膨張・収縮します。

この性質により、反りやひび割れが発生する場合もあることを押さえておきましょう。

 

コストが高い

無垢材はどれも一点もので、大量生産される木材ではありません。

そのため、コストは比較的高くなる点に注意が必要です。

しかし、「ぎふの木で家づくり支援事業」のように、地元の木材を使用することで補助金を申請できる場合もあります(※)。

無垢材を使用する際は、補助金・助成金を利用できないか確認してみましょう。

※出典:  岐阜県庁  ぎふの木で家づくり支援事業

 

傷がつきやすい

柔らかい樹種の無垢材の場合、傷やへこみがつきやすいため注意が必要です。

サンドペーパーやアイロンなどを使えば補修できますが、なるべく傷をつけたくない場合は、硬い樹種を選びましょう。

オークやクリ、バーチ、ウォールナットなどをおすすめします。

 

集成材とは

集成材

集成材は、小さく切った木の板を接着剤で貼り合わせた人工の木材です。

建物の構造部分に使用される建築用集成材と、内装や家具に使用される造作用集成材の2種類に分けられ、さまざまな場面で採用されています。

 

集成材のメリット

無垢材 集成材 違い

集成材を使用するメリットは、次の3点です。

  • ・コストを抑えられる
  • ・品質が安定している
  • ・反りや割れなどの変形が生じにくい

 

コストを抑えられる

集成材は、いくつもの木板を接着剤で組み合わせて作られます。

そのため、一本の木を無駄なく使用でき、大量生産も可能であることから、無垢材よりもコストがかかりません。

 

品質が安定している

集成材は、複数の木を組み合わせて人工的に作られるため、品質にあまり差が出ません。

強度やサイズを計算して生産できるので、安定した強度を保ちながらも、さまざまな厚さや幅、長さのある材料を製造できます。

品質が安定していることから、職人の技術による差が生じにくい点も特徴です。

 

反りや割れなどの変形が生じにくい

集成材は、日本農林規格(JAS)によって「含水率の平均値が15%以下であること」と基準が設けられています(※)。

加工段階で十分に乾燥させるため、水分の変化による反りや割れが起こりづらい点がメリットです。

いくつかの木材が貼り合わされている点も、変形リスクを抑えています。

 

〈※出典:農林水産省 集成材の日本農林規格

 

集成材のデメリット

コスト面や品質の安定性でメリットのある集成材ですが、次の3点には注意が必要です。

  • ・耐久性が比較的低い
  • ・健康面の懸念がある
  • ・手触り・足触りが無垢材に劣る

 

耐久性が比較的低い

集成材は、年月が経つことで接着剤が劣化し、木材同士の密着性が減ってしまいます。

そのため、接着剤を使用しない無垢材より、耐久性が劣る点がデメリットです。

なかには高耐久な接着剤もありますが、無垢材のように50年、100年と耐久するとはいえません。

 

無垢材に比べると健康面の懸念がある

集成材に使用される接着剤は、人体に有害な化学物質を含む点に注意が必要です。

化学物質が含まれた空気を吸うことで、めまいや頭痛、吐き気などの症状が出る「シックハウス症候群」となる場合があります。

しかし、集成材だからといって必ず体に悪いわけではありません。

2003年の建築基準法改正により、有害な化学物質に関する規制が設けられ、健康被害は大幅に減少してきました。

より体に優しいのは無垢材ですが、集成材も安全に使用できる木材です。

 

手触り・足触りが無垢材に劣る

集成材は、いくつもの木材を貼り合わせて作ることから、無垢材よりも触り心地が硬くなります。

天然木から切り出した無垢材のように、柔らかくぬくもりのある手触り・足触りではありません。

床のような触れる機会が多い箇所は、集成材よりも無垢材のほうが心地よく、立っていても疲れづらいと考えられます。

 

無垢材と集成材の選び方・使い分け方

無垢材 集成材 違い

無垢材と集成材は、それぞれの特性に応じて適切な使い分けることをおすすめします。

無垢材が適している用途

無垢材は、自然の風合いと調湿作用が特徴で、肌触りが良く、時間とともに味わい深くなる木材です。

そのため、次のような場合に適しています。

  • ・自然素材にこだわりたい場合の内装材
  • ・調湿効果を活かしたい場合の床材や壁材
  • ・経年変化を楽しみたい場合の家具

 

自然な美しさや心地よさを求める箇所には、無垢材がおすすめです。

 

集成材が適している用途

集成材は比較的価格がリーズナブルであるほか、安定性や耐水性が高く、変形や割れが少ない点が魅力です。

そのため、次のような用途におすすめできます。

  • ・構造材
  • ・脱衣所やトイレなど湿気の多い場所の床
  • ・階段の手すりや踏板
  • ・巾木や廻り縁

 

なるべく変形を防ぎたい箇所には、集成材の方が適しています。

 

まとめ

無垢材 集成材 違い

無垢材と集成材は、それぞれ特徴やメリット・デメリット、適している用途も異なります。

自然素材ならではの美しさ、心地よさを感じられる家にしたい方は、壁や床、天井などに無垢材を使用してみましょう。

一方、湿気の溜まりやすい場所には集合材を使用するなど、特徴に合わせて使い分けることも検討してみてください。

大野工機では、1969年の創業以来、岐阜の木を使った住宅建築を手掛けています。

地元材を使った無垢フローリングの施工、木の家の建築などをお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

補助金の活用方法から、最適な木材の選び方まで、詳しくご説明させていただきます。

大野工機は、昭和44(1969)年創業以来、総合建築会社として岐阜県東濃地域を中心に『顧客第一』をモットーとして“一生の宝物”となる住宅を作り続けています。

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