バリアフリーの観点で有利な平屋住宅は、年を取っても暮らしやすい住まいとして人気のプランです。デザインや機能性などたくさんの魅力がある平屋住宅ですが、今回はバリアフリーにスポットを当ててメリットや間取りづくりのコツをご紹介します。
この記事のポイント
- バリアフリーに有利な平屋は二世帯住宅にもおすすめ
- 採光や動線など平屋ならではの注意ポイントをチェック
- 立てる前に実際の平屋モデルハウスをチェック
■バリアフリー平屋のメリット
平面でのバリアフリー生活は移動のしやすさだけでなく、様々なメリットをもたらします。ここでは、バリアフリー平屋が持つメリットを様々な観点からご紹介します。
・親世帯との二世帯で暮らしやすい
階段がなく一つのフロアで暮らしが完結する平屋住宅は、介護を控えた親世帯との同居がしやすいのがメリットの一つ。二世帯住宅は、玄関の数や生活スペースの共有度など様々なバリエーションが考えられますが、その調整がしやすいのが特徴です。
暮らし始めは生活スペースを分けておいて、将来介護が必要になったら間仕切りを壊して一つなぎにすることも可能です。家族それぞれの健康状態やライフスタイルに合わせて暮らしぶりを調整できるため、平屋は二世帯住宅の選択肢として選びやすい造りといえるでしょう。
・将来のバリアフリー改修費用を軽減できる
バリアフリーの暮らしを実現しやすい平屋住宅は、年を重ねた時もそのまま暮らしやすく、将来のリフォーム費用を抑えやすいのも特徴です。足腰が弱ったとき階段があると、2階以上への移動を補助するため手すりやエレベータの設置が必要になります。場合によっては、リビングや水回りなど必要な設備を1階に移設する費用も必要になるでしょう。
もともと1階で過ごす平屋であれば、こうした将来の改修費用がかからないのは大きなメリットです。後述しますが、手すりやスロープなども見据えた造りにしておけば、さらに改修費用を抑えることができるでしょう。
・室温のバリアフリー化をしやすい
ワンフロアであることのメリットとしては、各部屋の室温をそろえやすいという点も挙げられます。寒い時期居室は暖房で暖まりますが、廊下や階段は寒いため移動がおっくうになります。また、暖かい部屋から寒い場所へ移動するときの温度変化は、血圧の変動による「ヒートショック現象」を引き起こし健康上のリスクも少なくありません。
平屋住宅は階段スペースが必要なく、リビングから各部屋へアクセスできるようにしてあげれば寒い部屋を通らずに済みます。寒暖の差による不快感や健康上のリスクが軽減できる「室温のバリアフリー化」は、老若男女問わず大きなメリットといえるでしょう。
■平屋の間取りづくりのコツ
すべての生活を1階で過ごす平屋の間取りづくりでは、2階建てとは違うコツが必要となります。暮らしやすい平屋をつくるためのコツを紹介していきます。
・全体の採光を確保する
1階の床面積が大きい平屋の間取りでは、建物の中心にいくほど光が届きづらくなります。気持ちの良い平屋をつくるためには、暗い場所をつくらないための工夫をすることが重要です。
敷地の広さに余裕があれば、東西に細長い建物にして南側の窓を増やす方法が考えられます。難しければ、中庭を設けて全体的に光がいきわたるようにするのも有効な手段です。
どちらも難しい場合は、トップライトを設けるのも良いでしょう。トップライトは壁面の開口部に比べて約3倍の採光性を持つため、暗くなりそうな中心部の部屋ピンポイントに設置すれば十分な明るさを確保できます。リビングなどの空間なら吹き抜けにして、高い位置に窓を設けるのも効果的です。
・移動動線に配慮する
一つの平面に家族の生活が集中する平屋では、それぞれの移動動線にも気を配りましょう。朝の準備では洗面所やトイレなどに家族の移動が集中してすれ違うことが多くなります。廊下でのすれ違いなど通れないことはありませんが、回数が多いと意外とストレスになるもの。特に水回りなどは複数の動線を設けて、スムーズにアクセスできるようにしてあげましょう。
また、毎日の生活で頻度の高い移動ルートにも注意が必要です。食事時にキッチンから家族を呼びに行くルートや洗濯機から物干しまでのルートなど、移動距離や通りやすさも考慮しましょう。
・外部からの視線を遮る
周囲の建物との距離や環境によっても変わりますが、1階での暮らしは外部からの視線が気になりやすいです。特にリビングや居室などゆっくりと過ごすための部屋が、今まで2階にあった方は要注意です。
前述したように中心部が暗くなりがちな平屋では大きな開口部を設けることが多く、そのぶん視線が気になりやすい傾向があります。せっかくこだわって作ったお部屋も、表の通りや隣家からの視線が気になっては十分にくつろげません。カーテンなど室内側での対策はもちろんですが、植栽やフェンスなど外部の対策も検討しましょう。
・パーソナルスペースを確保する
家族全員が同じフロアで過ごす平屋住宅では、それぞれが過ごすパーソナルスペースの確保にも工夫が必要です。廊下やリビングなどで顔を合わせやすいぶん、家族それぞれが自分の時間を過ごすスペースも必要になります。
同一フロアは音が伝わりやすくなりますので、音楽や映画鑑賞などの趣味があるなら防音に優れた部屋があると良いでしょう。同じリビング内でも、高さを変えたり間仕切りを設けたりして視線を遮ることで一人の空間を演出することができます。また室内に限らず、釣りやロードバイクといった趣味の道具を整備するガレージなどもパーソナルスペースの一つです。
・外部からの入りやすさにも配慮する
1階のみで床面積が広い平屋は玄関から遠い部屋ができやすいため、外からの帰宅時や来客時のことも考える必要があります。例えばキッチンが遠い場所にあると、買い物から帰ってきたとき重たい荷物を冷蔵庫まで運ぶのが大変です。キッチンやパントリーを玄関の近くに配置したり、駐車場からキッチンに直接アクセスしやすい場所に勝手口を設けたりといった工夫をしましょう。
また客間が家の奥にあると、お客さんを通す際に家の中の生活感が見えてしまいます。家族と顔を合わせて気まずい思いをすることも少なくありません。在宅勤務など、打ち合わせや来客が多い場合は来客用の出入り口を設けるなど、生活動線と分けてあげると使い勝手が良くなります。
玄関から遠い場所には、寝室など外部との出入りが必要ない部屋を配置するのが良いでしょう。
・介護も見据えた造りにする
バリアフリーの観点で有利な平屋住宅は、自分自身や親世帯が年を重ねても暮らしやすいため、介護が必要になった時のことを考えておくのがおすすめ。
例えば洗面所を広めにしておいたり、出入り口に手すりをつけたりしておくと入浴補助しやすくなります。扉の幅を広くして、ドアではなく引き戸にしておくのも移動補助の際にとても役立ちます。
玄関を広めに作っておけば、将来車いすが必要になった際もスロープを設置してそのまま暮らせます。手すりが必要になりそうな場所を石こうボードではなくベニヤ下地で仕上げておけば、後で少ない費用で設置できます。
大野工機では地元産の高品質な木材を使い、老後まで暮らしやすい平屋づくりのアドバイスもいたしますので、長く住める住まいを一緒につくっていきましょう。
■平屋を建てるなら実際の間取りをチェック
現代の住まいはほとんどが2~3階建てのため、平屋の暮らしを実際に体験したことがある方は少ないでしょう。まったく想像がつかない生活を一からプランニングするのは難しいですから、実際の間取りで平屋についての知識を吸収するのがおすすめです。
・平屋の施行事例をチェックする
暮らしやすい平屋を建てるためには、たくさんの事例から良い部分を取り入れるのが大切です。しかし、どんなに素敵で暮らしやすい間取りであっても、2階建てや3階建ての施行事例は平屋には役立ちません。参考にするなら、必ず平屋の施行事例をチェックしてください。
また、実際の施工事例は工務店の提案力や施工力を図るバロメーターにもなります。前述したように独自のコツが必要な平屋の間取りは、実際に平屋を建てた経験を持っていないと難しいものです。大野工機は平屋のプランをラインナップしており、豊富な施工事例から平屋の間取りづくりをサポートいたします。平屋の知識がない方もお気軽にご相談ください。
・平屋のモデルハウスを見学
住まいづくりには、実際の間取りや内装の質感をチェックするモデルハウス見学が欠かせません。平屋の場合は施工事例と同様に、平屋のモデルハウスで実際の間取りを見てみるのが大切です。2階建てのモデルハウスでも内装の仕上がりや部屋の広さなどは確認できますが、ワンフロアで暮らす雰囲気は実際に見てみないとわかりません。平屋を建てる場合は、必ず一度平屋のモデルハウスを見学しましょう。
大野工機は平屋の暮らしぶりを体験できる自社モデルハウスを備えております。吹き抜けリビングなど平屋で人気の間取りも見学いただけますので、ぜひご活用ください。
■まとめ
住宅の性能と寿命が長くなっている現代では、年を取っても暮らしやすい平屋はおすすめの選択肢です。暮らしやすい平屋をつくるためには、平屋ならではのコツやアイデアが必要となりますので、平屋を得意とする大野工機にぜひご相談ください。ご家族の人数や状況、理想の暮らしぶりなどをしっかりお伺いし、最適なプランをご提案します。ご相談だけでも構いませんので、お気軽にお問合せください。
