「省エネ住宅を建てたいが、建築費が高くて悩んでいる」とお困りの場合、国や自治体が提供する補助金・助成金を活用するのがおすすめです。
なかでも、子育てグリーン住宅支援事業であれば、最大で160万円の補助金を申請できます。
そこで本記事では、岐阜県の土岐市や恵那市などで家づくりを手がける工務店“大野工機”が、子育てグリーン住宅支援事業とは何か、申請条件や注意点までわかりやすく解説します。
●GX志向型住宅であれば160万円、長期優良住宅は最大100万円、ZEH水準住宅は最大60万円の補助金を申請できます。
●申請できる事業者が限られる、申請期限が前倒しになる場合があるなど、注意点も押さえておきましょう。
目次
子育てグリーン住宅支援事業とは
子育てグリーン住宅支援事業とは、2025年より始まった新築・リフォームの双方を対象とした補助金制度です。
家庭の省エネ化を促進する「住宅省エネ2025キャンペーン」の一つとして運営されており、省エネ住宅を建てたい方、あるいは省エネリフォームを行いたい方向けに費用の一部を補助しています。
子育てグリーン住宅支援事業を利用する条件
子育てグリーン住宅支援事業を利用する前に、対象者に該当するか、対象工事に該当するかを確認しておきましょう。
子育てグリーン住宅支援事業の対象者の条件
子育てグリーン住宅支援事業の利用者の条件は、次のパターンに分けられます。
新築住宅の場合
GX志向型住宅であれば全世帯、長期優良住宅やZEH水準住宅であれば子育て世帯または若者夫婦世帯
リフォームの場合
開口部の断熱改修・躯体の断熱改修・エコ住宅設備の設置の3つの必須工事のうち、2つから3つを含んだリフォームを行う全世帯
上記の通り、子育てグリーン住宅支援事業という名称ではありますが、子育て世帯以外も申請可能です。
ちなみに、子育てグリーン住宅支援事業における子育て世帯と若者夫婦世帯の条件は以下の通りです。
子育て世帯の条件
- ・令和6年3月末までに着工:令和4年4月1日時点で18歳未満のお子様がいる
- ・令和6年3月末以降に着工:令和5年4月1日時点で18歳未満のお子様がいる
若者夫婦世帯の条件
- ・申請時点において夫婦である
- ・令和6年3月末までに着工:令和4年4月1日時点で夫婦のいずれかが39歳以下
- ・令和6年3月末以降に着工:令和5年4月1日時点で夫婦のいずれかが39歳以下
長期優良住宅やZEH水準住宅で申請する場合、上記の条件に該当するかを確認しておきましょう。
【新築】子育てグリーン住宅支援事業における住宅の条件と補助額
新築の場合、対象となる住宅の条件と補助額は次の表の通りです。
対象世帯 | 対象住宅 | 補助額/戸 | |
全世帯 | GX志向型住宅 | 160万円 | |
子育て世帯 若者夫婦世帯 | 長期優良住宅 | 建替前住宅等の除却を行う場合 | 100万円 |
上記以外の場合 | 80万円 | ||
ZEH水準住宅 | 建替前住宅等の除却を行う場合 | 60万円 | |
上記以外の場合 | 40万円 |
GX志向型住宅・長期優良住宅・ZEH水準住宅を建てる際に子育てグリーン住宅支援事業を利用する場合、GX志向型住宅であれば世帯を問わず160万円、長期優良住宅は最大100万円、ZEH水準住宅は最大60万円が補助されます。
しかし、GX志向型住宅として認定されるには、以下の条件を満たす必要があるため注意してください。
- ・断熱等性能等級6以上
- ・一次エネルギー消費量の削減率が再生可能エネルギーを除いて35%以上
- ・一次エネルギー消費量の削減率が再生可能エネルギーを含むと100%以上
- ・HEMS (ヘムス)を設置する
また、長期優良住宅とZEH水準住宅の場合は、次の2点を満たさなければなりません。
- ・断熱等性能等級5以上
- ・一次エネルギー消費量の削減率が再生可能エネルギーを除いて20%以上
それぞれの条件に該当しなければ、補助金の対象とならないため注意しましょう。
【リフォーム】子育てグリーン住宅支援事業における住宅の条件と補助額
既存住宅をリフォームする場合、対象となる工事の種類や補助額は以下の通りです。
タイプ | 補助要件 | 必須工事 | 付帯工事 | 補助額/戸 |
Sタイプ | 必須工事3種の全てを実施 | ・開口部の断熱改修 ・躯体の断熱改修 ・エコ住宅設備の設置 | ・子育て対応改修 ・バリアフリー改修 | 上限:60万円 |
Aタイプ | 必須工事3種のうち、いずれか2種を実施 | 上限:40万円 |
リフォームで子育てグリーン住宅支援事業を利用する場合、全世帯が対象となります。
しかし、必須工事3種のうちすべて、あるいはいずれか2種を行う必要があり、必須工事とセットでなければ、子育て対応改修やバリアフリー改修などは対象となりません。
また、必須工事の3種すべてを行わなければ、最大補助額を得られないため注意しましょう。
子育てグリーン住宅支援事業を申請する流れ
子育てグリーン住宅支援事業へ申請する場合、大まかには次の流れで補助金が還元されます。
- 登録事業者と契約締結
- 工事に着手
- 一定以上の工事が完了
- 補助金の交付を申請
- 補助金の交付が決定
- 引き渡しおよび入居完了報告
- 登録事業者を通じた補助金の受け取り
補助金の申請は、ハウスメーカーや工務店などの登録事業者が代理で行います。
必要書類の準備・提供は必要となりますが、申請自体は施工業者の案内に沿って進めましょう。
また、必須ではありませんが、着工した段階で交付申請を予約することも可能です。
子育てグリーン住宅支援事業を申請する際の注意点
子育てグリーン住宅支援事業を申請する際には、次の5点に注意しましょう。
事業者の登録確認が必須
子育てグリーン住宅支援事業に申請するには、グリーン住宅支援事業者として登録された事業者に施工を依頼する必要があります。
施工業者がグリーン住宅支援事業者ではない場合、補助金申請手続きを行えないため注意しましょう。
「補助金を申請するつもりが登録事業者じゃなかった」という失敗を防ぐためにも、施工業者の登録状況を確認しておくことをおすすめします。
住宅省エネ2025キャンペーンの公式サイトからは、登録事業者を検索することも可能です。
申請期限が前倒しになる場合がある
子育てグリーン住宅支援事業の申請期間は2025年3月下旬〜2025年12月31日ですが、予算に達したタイミングで受付は締切となるため注意しましょう。
締切が12月31日までと想定して準備をしてしまうと、締切が前倒しされた場合に間に合わない恐れがあります。
申請できず補助金を受け取れないという状況を防ぐためにも、スケジュールには余裕を持って手続きを進めてください。
工事の着手日に注意
子育てグリーン住宅支援事業の対象となる工事は、2024年11月22日以降から2025年12月31日までに、基礎工事より後の工程(またはリフォーム工事)に着手している必要があります。
そのため、まだ着工していない工事や、2024年11月21日以前の工事は対象となりません。
工事請負契約日ではなく、着手日が基準となっているため注意しましょう。
補助金を受け取るのは工事が完了してから
子育てグリーン住宅支援事業の補助金は、申請してすぐに受け取れるわけではありません。
補助金が支払われるのは、工事完了報告が済んでからです。
補助金を使って工事代金を払えるわけではないため注意してください。
申請を行えるのは工事を行う事業者のみ
子育てグリーン住宅支援事業は、施主様ご自身が申請する制度ではありません。
新築・リフォーム工事を行う施工事業者が登録事業者となり、補助金の申請や交付手続きをまとめて行います。
施主様が個人で申請することはできないので、工事を依頼する業者に手続きを任せましょう。
まとめ
省エネ住宅の新築・リフォームはコストが高くなりやすいですが、子育てグリーン住宅支援事業を利用することで、家計への負担を抑えることができます。
補助金を申請したい場合は、グリーン住宅支援事業者に施工と申請手続きを依頼しましょう。