太陽光発電 メリット デメリット  

省エネ住宅のニーズが高まる中、家庭用の太陽光発電を導入する方も増えています。

「太陽光発電システムを設置するべきか」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、岐阜県の土岐市や恵那市などで家づくりを手がける工務店“大野工機”が、太陽光発電の仕組みや、メリットとデメリットまでわかりやすく解説します。

家庭用の太陽光発電を導入しようかお悩みの方は、ぜひ最後までごらんください。

コラムのポイント
●太陽光発電とは、太陽の光エネルギーを、ソーラーパネルによって電気に変換する発電方法です。
●電気代の削減、非常用電源としての活用など、太陽光発電にはさまざまなメリットがあります。
●太陽光発電の導入費用が気になる場合は、国や自治体の補助金を活用しましょう。

 

目次

 

太陽光発電の仕組み  

太陽光発電 メリット デメリット

はじめに、太陽光発電とは何か、発電できる仕組みを確認していきましょう。

太陽光発電とは

太陽光発電とは、太陽の光エネルギーを、ソーラーパネル(太陽光パネル)によって電気に変換する発電方法です。

燃料を使わず、発電時に二酸化炭素を排出しないことから、地球温暖化防止に役立つエネルギーとして導入が進んでいます。

ちなみに、環境省の「令和3年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査(家庭CO2統計)」によると、太陽光発電を導入している世帯の割合は戸建住宅で11.6%、集合住宅で 0.2%、全体では 6.3%となりました。

地域別に導入割合をまとめると、以下の通りです。

地域 太陽光発電の導入割合
北海道   1.1%
東北 7.3%
関東甲信 4.4%
北陸 3.1%
東海 11.2%
近畿 5.4%
中国 8.3%
四国 10.7%
九州 10.4%
沖縄 4.6%
全国 6.3%

出典:環境省|令和3年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 資料編(確報値)

地域別で見ると、東海地方がもっとも導入率が高いとされています。

太陽光を使って発電される仕組み

太陽光発電は、太陽電池を組み合わせたソーラーパネル(太陽光パネル)を使用することで発電されます。

ソーラーパネル内にはN型半導体とP型半導体があり、太陽光が当たることによって、N型半導体に電子(-)が、P型側に正孔(+)が集まります。

これにより形成されたプラス極とマイナス極を導線でつなぐと、電子が正孔へ移動し、電流が発生するという仕組みです。

このように、物質に光を当てることで起電力が生じることを光起電力効果と呼び、太陽光発電では光起電力効果を活用して電気を取り出しています。

太陽光発電のメリット

太陽光発電 メリット デメリット

家庭用太陽光発電を導入するメリットは、次の通りです。

電気代を削減できる

家庭用太陽光発電を導入する場合、自家発電した電力を消費できるので、電力会社から購入する電気量を減らすことが可能です。

そのため、太陽光発電を導入していない場合より、電気代の削減効果を期待できます。

また、電気料金は従量電灯プランが採用されているケースが多く、電気の使用量が増えれば増えるほど単価も上がってしまいますが、太陽光発電で電気の使用量を減らせば、単価も抑えることも可能です。

家計への負担をできる限り減らしたい場合、太陽光発電はおすすめの選択肢といえます。

再エネ賦課金を削減できる

家庭用太陽光発電を導入することで、再エネ賦課金を削減できるのも大きなメリットです。

再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)とは、再生可能エネルギーで発電された電気を、電力会社が買い取る費用の一部について、電気利用者全員で負担する制度です。

支払う金額は、「使用した電気量(kWh)×賦課金単価」によって算出され、2025年度の賦課金単価は3.98円/kWhに設定されてています。

太陽光発電を導入している場合、自家発電した電気を使用することで、電力会社から購入する電気量を減らすことができるため、再エネ賦課金の支払額も軽減できます。

※出典:再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2025年度以降の買取価格等と2025年度の賦課金単価を設定します|経済産業省

電気代高騰の影響を受けにくい

太陽光発電で自家発電した電力は、もちろん無料で使用できます。

また、太陽光発電による電力を消費することにより、電力会社から購入する電気量は減らすことが可能です。

そのため、もしも電気料金が値上げされた場合も、その影響を最小限に抑えられます。

余った電気を売電して副収入を得られる

太陽光発電で創出した電気を使いきれなかった場合、電力会社に売却することができます。

余った電気を売電することによって、定期的に副収入を得られるのも太陽光発電のメリットです。

FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)が設けられているため、太陽光発電を導入してから10年間は、固定価格での買取が保証されている点も助かります。

災害時・停電時の非常用電源として活用できる

家庭用の太陽光発電は、普段の生活を支えるだけでなく、災害時・停電時の非常用電源としても活用できます。

万が一停電してしまった際にも、テレビやラジオ、冷蔵庫、スマートフォンの充電などを稼働させることができるため、災害時にも生活の質を維持しやすいのは大きなメリットです。

より安心できる災害対策をとりたい場合は、蓄電池と組み合わせて利用することをおすすめします。

環境にやさしい

家庭用太陽光発電は再生可能エネルギーのため、発電時にCO2を排出せず、大気汚染を防ぐことができます。

また、化石燃料を使用する火力発電とは異なり、資源が枯渇する恐れもありません。

地球温暖化・再生不能資源の枯渇の両方の対策となる、環境にやさしいエネルギー創出方法です。

断熱効果を得られる

太陽光パネルを屋根に設置することで断熱効果が高まるのは、太陽光発電の副次的メリットです。

パネルが遮熱板としても機能し、夏の暑い直射日光を遮ることができるため、屋根の表面温度を低下させて室内温度も抑制できます。

また、冬になると太陽光パネルや断熱材としても役立ち、暖気が逃げづらくなるだけでなく、放射冷却による温度低下も抑制可能です。

太陽光発電のデメリットと解決策

太陽光発電 メリット デメリット

太陽光発電にはさまざまなメリットがある一方で、デメリットもあるため注意しましょう。

発電量が天候や時間帯に大きく左右される

太陽光発電は太陽光をエネルギー源とするため、発電量が天候や時間帯に大きく左右されてしまいます。

晴天であれば問題ありませんが、曇りや雨の日は大幅に発電量が減ってしまうため、電力供給が安定しているとは言い切れません。

解決策

発電量の変動をできる限り抑えるには、蓄電池の導入や高効率パネルを採用しましょう。

最新のパネルを導入することで、悪天候の際にも発電量を確保しやすい場合があります。

また、蓄電池もあわせて利用することで、日中に蓄えた電力を悪天候時や夜間に使用可能です。

初期費用が高い

家庭用太陽光発電を導入する場合、設置工事費や機器代などの初期費用が高くなりがちです。

100万円以上かかる場合が多いため、費用面がネックとなり導入を決断できないケースが多く見られます。

解決策

初期費用を抑えるには、国や自治体の補助金を活用しましょう。

岐阜県の場合、「岐阜市家庭用太陽光発電設備等普及促進補助金」や「美濃加茂市家庭用太陽光発電設備等設置費補助金」、「瑞穂市太陽光発電設備等設置費補助金」など、各自治体が補助金を提供しています。

基本的には予算に到達したら受付終了となるため、申請する際には早めの確認をおすすめします。

設置場所や住宅の条件による制約がある

太陽光パネルは、日当たりの良い場所に設置しなければ発電効率が下がってしまいます。

周囲に高い建物が建っている場合や樹木がある場合、発電されにくくなってしまうため設置場所に適していません。

また、屋根の形状や方角、耐荷重によって設置できない場合もあります。

解決策

屋根の形状や方角に問題がある場合、より発電効率の高いパネルを採用したり、パワーコンディショナを複数設置するなどして、発電効率を高めましょう。

しかし、発電効率を最大限に高めたい場合は、日当たりの良い場所を選定することをおすすめします。

悪質な業者によるトラブルのリスク

太陽光発電を扱う業者の中には、悪質な業者もゼロではありません。

不当な高額契約、施工不良、発電量不足などのトラブルにつながる恐れがあるので、信頼できる業者選びが重要です。

解決策

悪質業者によるトラブルを防ぐには、業者の実績を確認するだけでなく、契約内容や保証内容、アフターサービスの有無も必ず確認しましょう。

アフターサービスまで充実している業者を選ぶことで、定期的なメンテナンスまで安心して任せることができます。

まとめ

太陽光発電 メリット デメリット

家庭用の太陽光発電を導入すれば、電気代を削減できるだけでなく、非常用電源としても活用できるなど、さまざまなメリットがあります。

しかし、初期費用が高くなる傾向にあるため、国や自治体の補助金を活用して負担を抑えましょう。

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