「家が古くなってきた」「今のライフスタイルにあった間取りにしたい」という理由で、建て替えやリノベーションを検討される方は少なくありません。
しかし、建て替えとリノベーションのどちらで対応するべきなのか、迷ってしまうケースも多く見られます。
そこでこの記事では、岐阜県の土岐市や恵那市などで家づくりを手がける工務店“大野工機”が、建て替えとリノベーションの違いや、どちらにするか迷った場合の判断基準まで詳しくお伝えします。
実際のリノベーション事例も紹介するので、ぜひ参考になさってください。
●築年数が30〜40年ほどで、老朽化がそこまで進んでいない場合、リノベーションで十分に対応できます。
●建て替え・リノベーションのどちらにするか悩んだ場合、家の状態から判断することがもっとも重要です。
目次
建て替えとリノベーションの違い
はじめに、建て替えとリノベーションでは何が違うのか確認していきましょう。
基本的な違いをまとめた表は、以下の通りです。
項目 | 建て替え | リノベーション |
定義 | 既存建物を解体して更地にし、新たに家を建てる。 | 既存の構造を残しつつ、間取り変更や設備交換などの大規模改修を行う。 |
設計自由度 | 間取り・構造を一から設計できる | 建て替えよりは限定的 |
法的扱い | 新築扱い | 改修扱い |
費用の目安 | 解体費なども含まれ高額になりやすい | 比較的には建て替えより安価 |
工期の目安 | 長くなりやすい | 比較的短い |
性能 | 基礎から最新基準に則り設計でき、新築同等の高性能を実現可能。 | 補強工事で性能向上は可能だが、構造条件による。 |
建て替えは既存の建物を解体して新築する一方で、リノベーションは梁や柱などの構造を活かしつつ、大規模改修する点がもっとも異なります。
それぞれの詳しい特徴を比較していきましょう。
建て替えとは
建て替えとは、既存の建物を解体して更地にしてから、同じ土地に新しく建て直すことを指します。
基本的には、建物の老朽化や耐震性不足などを理由に行われ、住宅の性能を大幅に改善したい場合にもおすすめの選択肢です。
建て替えのメリット
家を建て替えることによって、次のようなメリットがあります。
設計の自由度が高い
建て替えでは、既存の建物を解体して新たに家を建てるため、間取りや内装デザインに制約がありません。
そのため、現在のライフスタイルや家族構成にあった家が手に入ります。
住宅性能を大幅に改善できる
建て替えは構造体から新しくできるため、断熱性・気密性・省エネ性などの住宅性能を大幅に改善できます。
最新の建築基準に則った家に生まれ変わることで、冷暖房効率が上がり、光熱費の削減にも効果的です。
耐久性・安全性が向上する
建て替えて新築にすることで、老朽化した構造も一新でき、最新基準の耐震・耐風性能に基づいた住宅にできます。
シロアリによる食害、構造部分の腐朽といった不安要素も解消され、安全性が向上するのは大きなメリットです。
生活基盤を変えずに住環境を刷新できる
建て替えは、現在の土地にそのまま新しい家を建てるため、新築であっても生活圏の変更がありません。
通勤・通学経路や近隣の環境はそのままに、住環境が大幅に改善されるのは安心できるポイントです。
「新築に住みたいものの、生活基盤は変えられない」とお悩みの場合、建て替えはおすすめの選択肢と言えます。
建て替えのデメリット
建て替えることでさまざまなメリットがある一方で、費用面や工期などには注意が必要です。
費用が高額になりがち
建て替えを行う場合、主に次の費用が発生します。
- ・解体費
- ・設計費
- ・新築工事費
- ・外構工事費
- ・確認申請費
- ・各種手数料
- ・外構工事費
- ・仮住まい・二度の引越し費
- ・登記・火災保険更新費
上記の通り、さまざまな費用が積み上がるため、総額が高くなりやすい点には注意が必要です。
また、地盤改良が必要となった場合や、老朽化した水道管などを新しく交換・設置するという場合、さらに費用が高くなる恐れがあります。
資金繰りにおけるリスクを軽減するために、ある程度の予備費を確保しておくと安心です。
工期が長期化しやすい
建て替えの場合、解体から基礎工事、上棟、内装・外装工事や設備工事など、入居に至るまでの工程が多く、工期が長期化しやすい点もデメリットです。
工期が延びてしまうと、仮住まいにかかる費用が増えたり、新たな生活をなかなか始められないなど、さまざまな不便が生じてしまいます。
仮住まい・引越しの手間がかかる
建て替えの場合は既存の住宅を解体してしまうため、仮住まい先に引っ越す必要があります。
仮住まいを確保する手間がかかるほか、退去時・入居時で2回引越し作業が発生するので、多くの負担がかかる点に注意しましょう。
とくにペット可物件を探す必要がある場合や、お子さまの学区内で物件を確保しなければならない場合、なかなか物件が見つからず焦ってしまうケースも少なくありません。
工事が遅延してしまうと仮住まい期間も延びてしまうなど、さらに費用がかさむ恐れもあります。
リノベーションとは
リノベーションとは、既存の建物の構造部分は残しつつ、大規模な改修を加える工事です。
家の状態や要望によって工事内容は多岐にわたり、水回りの刷新や間取りの変更、外装工事など、さまざまな改修が行われます。
リノベーションのメリット
リノベーションを行うことによって、次のようなメリットがあります。
自分好みの空間が作れる
リノベーションの魅力は、建て替えより制限はあるものの、ライフスタイルに合わせた空間にカスタマイズできる点です。
内装のフル改装、2室を1室に変える間取り変更、水回り設備の一新など、要望に合わせて改修できます。
家の骨組みだけを残すスケルトン工事であれば、住空間を大幅に改善することも可能です。
建て替えより低コストで理想を実現できる
既存の建物をそのまま活かすため、基本的には建て替えに比べてコスト削減が可能です。
費用を少しでも抑えながら暮らしやすさを改善したい場合、リノベーションがおすすめと言えます。
資産価値を維持できる
内装・外装の改修や設備更新を行うことで、家の暮らしやすさや省エネ性が向上すると、資産価値を維持できます。
これにより、築年数が古い場合でも、市場価値の下落が緩やかになり、将来的に売却したい場合や、賃貸として活用したい場合にも有利に働きます。
リノベーションのデメリット
リノベーションを行う場合、次の3点には注意しましょう。
構造上の制約で間取り変更に限界がある
リノベーションの場合、間取り変更の自由度は基本的に高いものの、構造上の問題で変更できないケースもあります。
大開口の設置が難しい、吹き抜けを作れないなど、要望が通らない場合もあるため注意しましょう。
予算超過のリスク
リノベーションを進める際に、構造部分の腐食や配管の老朽化、シロアリによる食害などが見つかると、追加工事が発生してコストが膨らみます。
そのため、はじめの見積もりより総額が高くなる可能性もゼロではありません。
基本的には建て替えよりもコストを抑えられますが、住宅の状態によっては高くなる恐れもあるため注意しましょう。
物件自体の寿命が短い
築古物件をリノベーションしても、建物自体の寿命は新築より短くなってしまいます。
住環境の改善は可能であるものの、より寿命の長い家に住みたい場合は、建て替えることで新築にすることをおすすめします。
建て替えかリノベーションかで迷った場合の判断ポイント
建て替えかリノベーションかで迷った場合、次の6点を判断基準としましょう。
建物の状態・築年数
建て替えかリノベーションかを決めるもっとも重要なポイントは、建物の状態です。
構造体の劣化が進んでいる、耐震性が低い、大規模な腐朽が見られるなど、状態が著しく悪い場合には建て替えをおすすめします。
また、築年数別にみる建て替え・リノベーションの判断基準は以下の通りです。
築年数 | 判断基準 |
築30年〜 | 基本的にはリノベーションがおすすめ |
築35年〜 | 基本的にはリノベーションがおすすめ |
築40年〜 | 老朽化が進んでいる場合は建て替えがおすすめ |
築50年〜 | 基本的には建て替えがおすすめ |
築30年ほどの住宅の場合、新耐震基準も満たしているため、建て替えではなくリノベーションで十分に対応できます。
一方、築50年以上が経過している住宅の場合、リノベーションにしても費用面のメリットがあまり感じられません。
構造体の劣化が進んでいると考えられるほか、耐震性能も低いため、性能面を全面的に改善する必要があるためです。
「リノベーションの方がコストを抑えられる」と安易に選択するのは避け、家の状態に応じて建て替えかリノベーションか選びましょう。
費用
建て替えの場合、解体費用がかかるだけでなく、仮住まい期間も長くなることから、リノベーションよりも費用が高くなりがちです。
しかし、増築・減築リフォームなどの大規模な間取り変更を行う場合や、設備・構造の劣化を大規模改修する場合、リノベーションであっても費用は高くなります。
費用を抑えたいのであれば基本的にはリノベーションがおすすめですが、家の状態で変わる点には注意が必要です。
工期
建て替えは、解体から設計・確認申請、工事と引き渡しまでのステップが多く、工期が半年〜1年以上になることもめずらしくありません。
一方でリノベーションは、半年以内に完了することが多く、新たな住まいでの暮らしをより早く始められます。
しかし、構造補強を行う場合や、住みながら工事を進めたい場合は、工程調整によって工期が延びるケースもあるため注意しましょう。
間取りの自由度
建て替えの場合は構造計画から行うため、間取りの自由度を重視したい場合には最適の手段です。
一方でリノベーションは、スケルトン工事にすることで大幅な間取り変更にも対応できます。
しかし、構造壁や配管によって制約が生じる場合もあるため、建て替えの自由度の高さには及びません。
性能
建て替えは、既存の建物を解体して新たに家を建てるため、耐震性能・省エネ性能・断熱性・気密性のすべてにおいて、最新の基準に対応させることができます。
リノベーションの場合、断熱改修や耐震補強も可能ではありますが、基礎部分などの条件によっては、建て替えほどの性能向上は見込めません。
住まいへの思い入れ、愛着
「これまで暮らしてきた家にそのまま住みたい」「思い入れが強いので、解体するのは避けたい」という場合、建て替えではなくリノベーションがおすすめです。
家の老朽化がそこまで進んでいない場合は、部分的なリノベーションを行い、思い出のつまった家により長く暮らしましょう。
リノベーションでどこまで変わるか施工事例で解説
最後に、実際に大野工機が手がけたリノベーションの実例を紹介します。
リノベーションでどこまで変わるのか知りたい方は、参考になさってください。

古い2階建ての家屋でしたが、現在のライフスタイルに合わせて減築したいというご要望を受け、大規模リノベーションを行いました。

昔ながらの雰囲気漂う2階建てから、片流れ屋根の平屋に生まれ変わり、モダンな印象を与えています。

広々とした玄関は、まるでホテルのエントランスのような高級感を感じさせます。

勾配屋根を活かした天井の高いリビングは、床に無垢材を採用することでぬくもりあふれる空間となりました。

キッチンのレンジフードはフラットタイプを採用し、すっきりと洗練された空間にマッチしています。

小屋裏収納を設けることで、生活スペースを圧迫することなく、収納力を確保しているのもポイントです。
施工事例について詳しく知りたい方は、こちらからごらんください。
まとめ

建て替えとリノベーションには、それぞれメリット・デメリットがあります。
どちらにするべきか迷った際、もっとも重要すべきなのは築年数や家の状態です。
築年数が浅く、老朽化が目立たない場合は、リノベーションでまったく問題ありません。
大幅な間取り変更も、スケルトン化することで可能となります。
しかし、築年数が古く、構造部分の老朽化が著しい場合には、構造計画からやり直せる建て替えを選びましょう。
家の建て替えやリノベーションをご希望の方は、ぜひ一度大野工機にご相談ください。
土地探しや補助金について、最適な木材の選び方まで、詳しくご説明させていただきます。
大野工機は、昭和44(1969)年創業以来、総合建築会社として岐阜県東濃地域を中心に『顧客第一』をモットーとして“一生の宝物”となる住宅を作り続けています。
● 美しいデザインをつくります
● “ぎふの木”の家づくりにこだわります
岐阜県東濃地域で家づくりを始めたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。