天然木でできた無垢材は、自然素材ならではのぬくもりや風合いが魅力で、リビングやダイニング、寝室など、さまざまな空間で採用されています。
しかし、水や油を吸収しやすいといった特徴があるため、「キッチンにも無垢床を採用してもいいのか」と疑問に思う方も少なくありません。
そこでこの記事では、岐阜県の土岐市や恵那市などで家づくりを手がける工務店“大野工機”が、キッチンに無垢床を採用していいのか解説するとともに、無垢床のメリット・デメリットや、正しいお手入れの方法まで詳しくお伝えします。
●キッチンは水はねや油汚れが多い空間のため、無垢床を採用する場合は、適切な清掃とメンテナンスが欠かせません。
●清掃は乾拭きを基本とし、水拭きをする際にも水分を残さないように注意することで、美しさを長く保てます。
目次
コンテンツ
キッチンに無垢床を採用してもいいのか
結論から述べると、キッチンに無垢床は採用することは可能です。
無垢床(無垢フローリング)は、合板フローリングに比べると足あたりが柔らかく、キッチンのような立ち作業の多い場所に採用すると、体への負担を抑えることができます。
無垢床ならではの風合い、趣も魅力なので、リビングやダイニングに加えて、キッチンにも無垢床を採用するケースはめずらしくありません。
しかし、水や油が染みやすく、変形・変色のリスクもあるため、適切な対策とメンテナンスが欠かせないのも事実です。
キッチンに採用される床の種類
キッチンに採用される床の種類は、主に以下の4つです。
無垢床(無垢フローリング)
天然木一枚板で作られており、自然素材ならではの質感と、経年変化を楽しめる点が魅力です。
天然木特有のぬくもりと調湿性があり、足触りが心地よい一方で、水や油汚れに弱く、傷がつきやすいことから、こまめなメンテナンスが欠かせません。
合板フローリング(複合フローリング)
合板フローリングとは、木板を貼り合わせて作られた床材です。
薄い木板を接着剤で貼り合わせた多層構造で、表面には薄い天然木の板が貼られています。
無垢床のような足触り・質感ではないものの、耐久・耐水・清掃性に優れているほか、価格が比較的リーズナブルなので、キッチンに採用されるケースも多く見られます。
フロアタイル
フロアタイルとは、一般的には塩化ビニル(PVC)製のタイル床材を指します。
色や柄が豊富で、リアルな木目調、シックな石目調など、さまざまな種類から選べるのが魅力です。
耐水性や防汚性にも優れているため、キッチンに採用されることも少なくありません。
クッションフロア
クッションフロアは、フロアタイルと同様に塩化ビニル製で、水や汚れに強い床材です。
クッション性があるため足腰の負担を軽減できるほか、デザインが豊富で、手頃な価格で施工できる点も人気を集めています。
キッチンに無垢床を採用するメリット
キッチンに無垢床を採用することによって、次のようなメリットがあります。
足腰がラクになる
無垢床は、合板フローリングとは異なってやわらかい足触りのため、長時間の立ち仕事でも衝撃が和らぎます。
そのため、キッチンのような立ち作業の多い場所に無垢床を採用すれば、足腰の負担を軽減できると考えられます。
快適なぬくもり・質感
天然木でできた無垢床は、熱伝導率が低いため、寒い冬場であっても足元が冷えにくいのが特徴です。
裸足でも心地よい足触りで、季節を問わず快適性が高まります。
調湿による不快感の軽減
無垢床には調湿作用があり、空気中の湿気を適度に調整できます。
キッチンに採用した場合も、湿度の影響を抑えて表面のベタつきを防ぐため、歩いた時のムレや不快感を軽減し、さらっとした足触りを保ちます。
経年変化の美しさ
無垢床は天然木でできているため、使い込んでいくほど色艶が深まり、表情が変わっていきます。
適切な掃除・メンテナンスを行えば、長い期間にわたって美観を保つことも可能です。
キッチンに無垢床を採用するデメリット
キッチンに無垢床を採用する場合、とくに次の2点には注意しましょう。
水や油に弱く、シミ・変色が起きやすい
キッチンは、水はねや油はねの影響が大きい場所のため、吸水・吸油しやすい無垢床には、色むらや黒ずみなどが残ってしまう恐れがあります。
水や油がはねた際にはすぐに拭き取り、放置しないように注意しましょう。
放置時間をできる限り短くすることで、シミや変色のリスクを抑えられます。
反り・隙間・割れなどが出やすい
キッチンのような湿度と温度の変動が大きい環境では、無垢材が膨張収縮を繰り返します。
その結果、板の反りや端部の割れ、隙間などが発生しやすくなる点には注意が必要です。
キッチンに無垢床を採用した場合の掃除・メンテナンス方法
キッチンは、水や油汚れにさらされやすい場所のため、無垢床を採用するとなると掃除やメンテナンスに工夫が必要です。
適切なお手入れ方法を実践し、美しい状態を長く保ちましょう。
無垢床は基本的に乾拭きがおすすめ
無垢材は、天然木をそのまま切り出して作られているため、水分を吸収しやすい素材です。
そのため、日常のお手入れは乾拭きを基本としましょう。
掃除機で細かなゴミを吸い取り、乾いた柔らかい布やモップで表面を拭くことで、きれいな状態を保つことができます。
無垢床を水拭きする場合の方法
キッチンで発生する油はねは、乾拭きだけではきれいに落としにくいため、水拭きが必要となります。
その場合、無垢床になるべく水分が残らないように、以下の手順に沿って水拭きをしましょう。
表面のホコリとゴミを取り除く
まずは掃除機やほうきで床表面のホコリやゴミを取り除きましょう。
細かなゴミが付着したまま水拭きしてしまうと、ゴミが床を傷つけてしまう恐れがあるため、あらかじめきれいにしておくことが重要です。
固く絞った雑巾などで水拭きする
固く絞った雑巾やモップで、優しく水拭きをしましょう。
なるべく床に水分が残らないように、さっと素早く拭くことをおすすめします。
汚れが強く、洗剤を使いたい場合は、中性洗剤を水で薄めて使用してください。
乾拭きする
水拭き後は必ず乾拭きをしましょう。
水分を吸い込んでしまうと、ソリや割れ、シミなどの原因になってしまうため、仕上げの乾拭きは必須です。
換気して湿気を逃す
仕上げの乾拭きまで終わったら、最後は窓を開けて換気しましょう。
これにより、床にこもった湿気を逃すことができます。
定期的にワックスがけも忘れずに
無垢床の美しさを長く楽しむためには、定期的なワックスがけが効果的です。
ワックスを使用すると、表面に保護膜が形成され、水や油が染み込みにくくなります。
水ハネや油汚れのつきやすいキッチンでは、半年から1年ほどのペースでワックスがけをしておきましょう。
無垢床の掃除・メンテナンス方法としてNGなもの
誤った方法で掃除してしまうと、無垢床の変色や変形、劣化を招いてしまいます。
どのような清掃・メンテナンス方法がNGなのか、前もって押さえておきましょう。
スチームクリーナーや床洗浄ポリッシャー
無垢床は温度や湿度の影響を受けやすいため、スチームクリーナーを使ってしまうと変形のリスクが高まります。
また、床洗浄ポリッシャーで強い摩擦を与えてしまうと、無垢床表面の保護膜が剥がれ、見た目に影響が出てしまいます。
基本的には乾拭きで、表面をやさしく拭くだけで問題ありません。
強酸性・強アルカリ性や研磨剤入りの洗剤
無垢床に強酸性や強アルカリ性の洗剤を使用してしまうと、木の繊維を傷んで変色や劣化を起こしてしまいます。
また、研磨剤入り洗剤を使用すると、無垢床表面の保護膜が削られ、本来の光沢感がなくなってしまうため利用を避けましょう。
メラミンスポンジや硬いブラシでのこすり洗い
メラミンスポンジや硬いブラシを使ってこすり洗いをしてしまうと、無垢床の表面が毛羽立ってしまい、変色や色ムラの発生につながります。
頑固な汚れがある場合も、研磨力の高いスポンジやブラシではなく、柔らかい布でじっくりと落としましょう。
キッチンに無垢床を採用した施工事例
最後に、大野工機が実際に手がけた、キッチンに無垢床を採用した事例を紹介します。
キッチンに無垢床を採用した施工事例①
広々としたキッチンに無垢床を採用した事例です。
システムキッチンも木目調で合わせたほか、ドアや隣の部屋も無垢材で統一することで、木のぬくもりあふれる空間となっています。
施工事例について詳しく知りたい方は、こちらからごらんください。
キッチンに無垢床を採用した施工事例②
ダークブラウンで統一されたシックなキッチンに、無垢床を採用した事例です。
スタイリッシュな雰囲気に、無垢床のナチュラルさがアクセントとなっています。
ダイニングの床や天井にも無垢材を採用することで、ひとつながりの空間が生まれ、より広々と開放的に感じられるのも魅力です。
施工事例について詳しく知りたい方は、こちらからごらんください。
まとめ
キッチンに無垢床を採用する場合、日頃の清掃やメンテナンスに注意することで、より長く美観を保つことができます。
乾拭きを基本とし、水拭きをする際にも手早く済ませることで、水分の影響を最小限にしましょう。
天然木ならではのぬくもりや、経年劣化による風合いの変化を楽しみたい方、足触りのいい床材を選びたい方は、ぜひ無垢床を検討してみてください。
大野工機では、1969年の創業以来、デザイン・機能ともに優れた家づくりやリフォームを手掛けています。
無垢材を使った家づくりをご希望の方は、ぜひ一度ご相談ください。
土地探しや補助金について、最適な木材の選び方まで、詳しくご説明させていただきます。
大野工機は、昭和44(1969)年創業以来、総合建築会社として岐阜県東濃地域を中心に『顧客第一』をモットーとして“一生の宝物”となる住宅を作り続けています。
● 美しいデザインをつくります
● “ぎふの木”の家づくりにこだわります
岐阜県東濃地域で家づくりを始めたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。