
ご高齢の方、お身体の不自由な方も安心して暮らせる家にするには、バリアフリーリフォームが欠かせません。
そこでこの記事では、岐阜県の土岐市や恵那市などで家づくりを手がける工務店“大野工機”が、バリアフリーリフォームの種類や費用相場を解説するとともに、活用できる補助金や減税制度についても詳しくお伝えします。
●介護保険の住宅改修支援や子育てグリーン住宅支援事業など、補助金を申請できる場合があります。
●介助される方の身体状況を考慮し、最適な設計にするためにも、施工実績の豊富な業者に依頼しましょう。
目次
コンテンツ
バリアフリーリフォームの種類と費用相場

手すりの設置
手すりの設置工事は、バリアフリーリフォームの中でも気軽に行える工事です。
玄関や廊下、階段、浴室内やトイレなどに手すりを設置することで、室内を移動しやすくなるほか、転倒防止にも役立ちます。
設置箇所が広く手すりが長くなる場合や、下地補強を伴う工事が必要となる場合、費用が高くなるため注意しましょう。
費用の目安は次の通りです。
| 設置箇所 | 費用相場 |
| 玄関 | 1〜5万円 |
| 廊下 | 2〜10万円 |
| 階段 | 8〜17万円 |
| トイレ | 2〜10万円 |
| 浴室 | 2〜5万円 |
段差解消
玄関前にスロープを設置したい場合や、室内の敷居の高低差をなくしたい場合、段差解消リフォームがおすすめです。
小さい段差に関しては床のかさ上げや撤去で対応し、大きい段差に関してはスロープなどで昇降しやすくしましょう。
段差がなくなることで、転倒リスクを抑えることができます。
費用の目安は次の通りです。
| 解消箇所 | 費用相場 |
| 玄関(上がりかまち段差の解消) | 5,000〜2万円 |
| 玄関(スロープの設置) | 15〜40万円 |
| 居室 | 1〜15万円 |
| トイレ | 1〜10万円 |
| 浴室 | 5〜25万円 |
開口部の拡張
車椅子で移動する方がいる場合や、歩行介助が必要な場合、通行しやすいように開口部を拡張しましょう。
750mm以上の幅を確保しておくと、車椅子による移動や、介助者との歩行もスムーズになります。
しかし、構造上の理由で施工が難しい場合もあるため注意して下さい。
また、開口部を拡張する際には、断熱性や気密性の低下についても十分に対策しましょう。
費用目安は次の通りです。
| 施工箇所 | 費用相場 |
| 玄関ドアの開口部拡張 | 10〜15万円 |
| 各部屋の入口拡張 | 10万円〜 |
| 廊下の幅拡張 | 30〜150万円 |
扉の引き戸化
車椅子や歩行器で通行しやすい家にするためには、扉の引き戸化もおすすめのリフォームです。
足元に段差のない上吊り式の引き戸を採用すれば、つまずいてしまうリスクも抑えられます。
幅は約75~80cm以上を目安に、車いすで通行する場合は90cm以上で設計し、スムーズに出入りできる扉としましょう。
さらに安全性を高めたい場合は、ソフトクローズタイプをおすすめします。
費用目安は次の通りです。
| 施工箇所 | 費用相場 |
| 室内ドア(通常タイプ) | 〜10万円 |
| 室内ドア(バリアフリータイプ) | 20~50万円 |
| トイレドア | 10〜30万円 |
滑りにくい床材への変更
滑りにくい床材への変更も、バリアフリーリフォームの基本です。
比較的滑りやすい水回りだけでなく、玄関や廊下、階段、リビングなど、歩く頻度の高い箇所には滑りにくい床材を採用しましょう。
玄関には防滑性ビニル床シート、居室にはタイルカーペットやクッションフロアなど、施工箇所ごとに適した床材に変更することをおすすめします。
費用目安は次の通りです。
| 施工箇所 | 費用相場 |
| 滑りにくい床材への変更(部屋・廊下など) | 4〜20万円 |
| 階段 | 10万円〜 |
トイレのバリアフリー化
ご高齢の方、身体が不自由な方も安全にトイレを使用できるように、トイレのバリアフリー化を進めるケースも見られます。
手すりの設置や段差解消といった基本的な施工をはじめ、車椅子で出入りしやすいようにトイレスペースを拡張し、便座が電動で昇降するトイレリフトを取り付けるなど、ニーズに合わせてさまざまな設備を導入します。
費用目安は次の通りです。
| 施工箇所 | 費用相場 |
| トイレスペースの拡張 | 15〜40万円 |
| トイレリフトの取り付け | 20~25万円 |
| 手すりの設置 | 2〜10万円 |
| 段差の解消 | 1〜10万円 |
浴室のバリアフリー化
浴室のバリアフリーリフォームでは、手すりの設置や滑りにくい床材への変更をはじめ、ユニットバスの交換や、浴槽への出入りをサポートするバスリフトの導入などを行います。
また、高齢者のヒートショック対策として、窓断熱リフォームや浴室暖房乾燥機の設置などを通じ、断熱性能を高めることも欠かせません。
費用目安は次の通りです。
| 施工箇所 | 費用相場 |
| ユニットバス交換 | 60〜150万円 |
| バスリフトの設置 | 40〜60万円 |
| 手すりの設置 | 2〜5万円 |
| 滑りにくい床材への変更 | 〜10万円 |
| 窓断熱 | 5〜15万円 |
| 浴室暖房乾燥機の設置 | 5〜30万円 |
バリアフリーリフォームで申請できる補助金・減税制度

バリアフリーリフォームを行う場合、補助金を申請できたり、減税制度を利用できる可能性があります。
利用できる主な制度は次の通りです。
| 制度名 | 補助・減税額 |
| 介護保険の住宅改修支援 | 18万円
(支給限度基準額である20万円の9割)※1 |
| 子育てグリーン住宅支援事業 | 最大60万円/戸※2 |
| リフォーム促進税制 | 所得税控除:60〜80万円
固定資産税:翌年1/3〜2/3に相当する額の減税 ※2 |
※1 出典:介護保険における住宅改修|厚生労働省
※2 出典:リフォーム支援制度まるわかりガイド|国土交通省
以下では、各制度について詳しく解説します。
介護保険の住宅改修支援
介護保険の住宅改修支援は、要支援または要介護認定を受けた方を対象とした補助金制度です。
手すりの設置、滑りにくい床材への変更などのバリアフリーリフォームを行なった場合、費用の一部が補助されます。
補助額の最大は、支給限度基準額である20万円の9割=18万円です。
申請する際には、事前にケアマネジャーへの相談が必要となるほか、保険給付として適当なリフォームでなければ利用できないため注意しましょう。
子育てグリーン住宅支援事業
子育てグリーン住宅支援事業は、省エネ改修とセットでバリアフリーリフォームを行う場合に利用できる補助制度です。
開口部の断熱改修・躯体の断熱改修・エコ住宅設備の設置のうち、2つ以上の工事を行う場合に限って、手すりの設置や段差解消などのバリアフリーリフォームの費用も補助対象となります。
対象工事と補助額は次の通りです。
| 対象工事 | 補助額 |
| 手すりの設置 | 6,000円/戸 |
| 段差解消 | 7,000円/戸 |
| 廊下幅等の拡張 | 28,000円/戸 |
| 衝撃緩和畳の設置 | 21,000円/戸 |
バリアフリーリフォームしか行わない場合、補助対象とはならないため注意しましょう。
リフォーム促進税制
バリアフリーリフォームを行う場合、リフォーム促進税制の対象となる場合があります。
要件を満たしてリフォーム促進税制減税の対象となると、所得税や固定資産税が減額されます。
対象となるのは次の工事です。
- ・介助用の車椅子での移動をスムーズにするための、通路や出入口幅の拡張
- ・階段の設置(既存の階段の撤去が付随する場合に限る)、もしくは改良による勾配の緩和
- ・浴室の改良(入浴・介助のための浴室の拡張、浴槽をまたぎやすくするなど)
- ・トイレの改良(和式から洋式変更、便器の座高を高くする、トイレを広くするなど)
- ・手すりの取り付け
- ・床の段差解消
- ・出入口のドアの改良(開戸から引戸へ変更、開閉しやすくする器具の設置など)
- ・床材を滑りにくいものへ取り換える
また、次の要件を満たしている必要があります。
所得税の控除の場合
所得税の控除を受けたい場合の要件は次の通りです。
- ・リフォームする人が次のいずれかに該当する。
- 年齢が50歳以上
- 要介護または要支援の認定を受けている
- 所得税法上の障がい者の方
- 65歳以上の高齢の方(上記の2または3に該当する方)である親族と同居している
- ・バリアフリー改修を行う方が所有し、居住している家屋である
- ・改修後の家屋の床面積が50㎡を超えている
- ・併用家屋の場合は、床面積の2分の1以上が居住用である
- ・バリアフリー改修にかかる標準的な工事費用相当額から補助金等を差し引いた額 が、50万円を超えている
- ・令和7年12月31日までに改修工事が終了し、居住している
- ・その年分の合計所得金額が2000万円以下である
- ・その他減税適用を受けたい増改築工事がある場合は、その工事は減税対象の工事である
- ・バリアフリー改修が完了してから6ヶ月以内に居住する
上記の要件を満たした場合、最大控除額は60万円、控除対象限度額は1,000万円です。
<出典>バリアフリーリフォームで所得税の減税を考えられている方へ|国土交通省
固定資産税の減額の場合
固定資産税の減額を受けたい場合の要件は次の通りです。
- ・次のいずれかに該当する減税申請者が、居住している家屋である
- 65歳以上の者 (工事が完了した翌年の1月1日時点
- 要介護認定又は要支援認定を受けている者
- 障がいを持っている者
- ・新築されてから10年以上が経過した家屋である
- ・賃貸住宅ではない家屋である
- ・工事に要した費用から補助金等を差し引いた額が、50万円(税込)を超えて
- ・いる
- ・改修後の床面積が登記簿表示上で50㎡以上280㎡以下である
- ・店舗等併用家屋の場合は、床面積の2分の1以上が居住用である
- ・改修工事を令和8年3月31日までに行っている
上記の要件を満たす場合、翌年度分の固定資産税から3分の1が減額されます。
<出典>バリアフリー改修に係る固定資産税の減額措置|国土交通省
バリアフリーリフォームで失敗しないための注意点

バリアフリーリフォームを行う際には、次の3点に注意しましょう。
対象者にとっての暮らしやすさを十分に考慮する
手すりを設置する際の高さや向き、必要となる通路幅などは、対象者の状況によって何が最適なのかが異なります。
介助対象となる方のご年齢や身長、利き手、筋力のほか、室内における移動手段まで考慮してプランを立て、汎用的な工事を行うのは避けましょう。
介助者・ご家族の動線も確保する
介助される方にとって動きやすい空間とするのはもちろん、介助する方やご家族の動線も確保しましょう。
介助する際に回り込めない、設備を操作しにくいといった不便さを解消するために、介助スペースを十分に見込んで拡張することが重要です。
とくにトイレや浴室は狭くなりやすいので、動線を考慮した上でバリアフリー化を進めましょう。
シミュレーションを忘れない
車椅子でスムーズに旋回できるか、ベッドから車椅子への移乗も難なく行えるかなど、シミュレーションを行なった上で工事を進めましょう。
仮に図面上では問題がなくても、実際には「スペースが足りない」「動きづらい」といったトラブルにつながるリスクがあります。
ケアマネジャーなどと相談しながら、介助姿勢をシミュレーションし、どのようなリフォームが必要か判断しましょう。
まとめ

バリアフリーリフォームを行えば、ご高齢の方、障がいのある方にとっても安全な住まいが手に入ります。
しかし、介助する方・される方の双方にとって過ごしやすい家にするためには、提案力や専門的な技術が欠かせません。
「せっかくリフォームしたのに、かえって過ごしにくくなってしまった」と失敗しないためにも、バリアフリーリフォームを行う際には、これまでの施工実績が豊富な業者に依頼しましょう。
大野工機では、1969年の創業以来、デザイン・機能ともに優れた家づくりやリフォームを手掛けています。
リフォームをご希望の方は、ぜひ一度ご相談ください。
土地探しや補助金について、最適な木材の選び方まで、詳しくご説明させていただきます。
大野工機は、昭和44(1969)年創業以来、総合建築会社として岐阜県東濃地域を中心に『顧客第一』をモットーとして“一生の宝物”となる住宅を作り続けています。
● 美しいデザインをつくります
● “ぎふの木”の家づくりにこだわります
岐阜県東濃地域で家づくりを始めたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。
