築年数が経ったり住む人がいなくなったりした実家をどうするか、考えるのは大変ですよね。そのまま放置すると固定資産税が上がってしまうデメリットもあり、建て替えやリフォームして住むなど対策を講じないと損になってしまいます。
そこで今回は、売却・建て替え・リフォームなど実家の選択肢を比較し、建て替え時期の目安などを解説していきます。
目次
■築年数が経った実家の選択肢を比較
■建て替えの手順
■建て替え検討時の注目ポイント
■建て替えの問題点と対策
■建て替えで発生する費用
■築年数が経った実家の選択肢を比較
まずは築年数が経っている実家をどうするのか、一般的な選択肢である売却・建て替え・リフォームそれぞれのメリットや課題を比較していきましょう。
・売却～新規購入
遠方の実家など、仕事などの関係で手入れや居住が難しい場合は、売却して新築費用にあてる方が多いと思います。また、地元との人間関係や周辺環境など土地に不満がある場合は、やはり売却を考える方が多いでしょう。
日本の中古市場では建物価格が付くことは少ないですが、エリアによっては土地の価格が大きな売却益になるケースもあります。別の場所に新築を建てる際の頭金など、資金面で余裕が出るのは大きなメリットですね。
売却のデメリットとしては、買主が見つかるかどうかは運しだいという点と、希望売却価格で売れない可能性の二点です。売却が決定してから次の住まいを新規購入する場合、なかなか売れないと引っ越すことができません。また、新たな土地探しに時間と労力がかかる点も計算に入れて検討する必要があります。
・建て替え
築年数が経った実家の建て替え最大のメリットは、土地代を節約して新築を建てられる点です。最新性能の住まいに住むことができますし、浮いた土地代の分設備や内外装をグレードアップできる点も大きな魅力。慣れ親しんだ土地のため、暮らし始めてからなじむまでの時間がかからないのもメリットですね。
一方、既存住宅の解体や地盤改良、基礎の作り直しなどが必要になるため、かかる施工期間は長めです。今住んでいる実家の建て替えの場合は仮住まい期間が発生します。住んでいない実家の建て替えの場合も、入居までの期間は少し長くかかる点を理解しておきましょう。
・リフォーム
今ある実家の柱や基礎などの構造体を再利用するリフォームは、期間と費用を大幅に抑えられる点が一番のメリットです。生まれ育った建物の思い出を残し、新しい形で活用できる点も魅力的ですね。リフォームとはいえ、断熱性や使い勝手などを新築同様にすることは難しくありません。
ただし、築年数やメンテナンス状況によって工事期間や費用は大きく変わってきます。シロアリ被害や耐震性能の不足などがある場合、耐震補強など構造部の大幅な改修も必要になります。また、通し柱などどうしても移動できない構造体もあるため、新築と比べると間取り変更の自由度は少なくなる点にも注意が必要。
| 売却～新規購入 | 建て替え | リフォーム | |
| メリット | ・新しい土地に移り住める
・売却益によっては費用を抑えられる ・タイミング調整すれば仮住まいが短い |
・最新の住宅性能
・間取り自由度が高い ・土地代が掛からない ・慣れ親しんだ土地に住める |
・費用を抑えられる
・思い入れを残せる ・期間が短い |
| デメリット | ・土地探しが大変
・買主が見つかるかは運しだい ・希望価格で売れない可能性がある |
・解体～完成まで期間がかかる | ・建物状況によっては手間と費用がかかる
・間取りの自由度は低い |
■建て替えの手順
建て替えを人生で何度も経験することはそうありませんので、初めての方がほとんど。まずは建て替えがどんな流れで進んでいくのか、全体の手順を見てみましょう。
手順1：工務店を選ぶ
最初に依頼すべき工務店を比較し、選ぶところから始めるのがおすすめです。人が住んでいないご実家などの場合解体して先に更地にすることもできますが、できれば同じ工務店に頼んだ方がスムーズでしょう。工務店にご相談いただきながら、理想とする住まいのイメージや予算をつかんでいきます。
手順2：プラン打ち合わせ
依頼する工務店が決まったら、実際に細かくプランを詰めていきます。材料の色など細かい部分を除き、間取りや仕様を決めて正確な図面と見積もりを作成。住宅ローンの審査などを経て契約・発注となります。
手順3：着工準備
プランと工事の時期が決まったら、私たち工務店とお施主様それぞれが、着工に向けた準備をしていきます。お施主様は解体するご実家の片付けやお引越し準備、工務店は各種の届け出や工事前の近隣挨拶などが必要です。
手順4：解体～地盤改良
準備が整ったらいよいよ解体からスタート。土地調査で地盤改良などが必要となることもあります。解体後は地鎮祭などを行い、着工に進みます。
手順5：着工～完成
更地になったら基礎から始まって建物が着工します。基本的に仕様書通りに工事は進んでいきますが、建築中の確認や打ち合わせも必要となります。壁紙の色など細かい仕様決めや、電気・ガス・水道などの手続きもあるため、お施主様も時間の確保をしておくとスムーズです。工期通りに完成すれば、最後に傷や不具合を確認して引き渡し～お引越しとなります。
■建て替え検討時の注目ポイント
建て替えとほかの方法を比較検討する際、注目すべきポイントを解説します。
・築年数も踏まえて考える
建て替えとほかの選択肢を検討する際、築年数は一つの判断材料となります。実家の築年数が浅い場合は売却で価格が付きやすいケースもあり、リフォームしても費用を抑えやすいです。しかし、築年数が経っていると買い手が付きづらく、給排水や電気配線など余計なリフォーム費用も掛かってきます。建物の構造や状況によっても変わるため、「築何年なら建て替え」といった単純な判断はできませんが、築年数と「これから何年暮らすのか」を踏まえて検討しましょう。
・なるべく公平な工務店に相談する
上でまとめたように、建て替え・売却・リフォームそれぞれの方法にメリットとデメリットがあるため、ご自宅の状況に応じて選択することが重要です。最適な方法を選ぶために、なるべく公平な立ち位置で相談に対応できる工務店がおすすめです。
大野工機は建て直し・リフォームともに対応し、売却後の新しい土地探しなどもご相談に乗ることが可能です。自社の利益や都合で特定の選択肢をひいきせず、すべての選択肢を公平に比べることもできますので、実家の扱いに悩んだらぜひご相談くださいませ。
・ご近所との関係性
数十年の歴史がある実家となると、付き合いの長いご近所さんとの関係性も気になるところ。特に離れて住んでいたご実家のケースなどでは、知らないうちに関係が悪化していたなどのケースも少なくないようです。建て替えた後数十年の付き合いとなるご近所さんですから、悪い関係になっていないか事前に両親に聞いてみるといいでしょう。
■建て替えの問題点と対策
建て替えは普通の新築と違う手順があることから、注意すべきポイントや問題点も変わってきます。よく挙げられる問題点とその対策を考えてみましょう。
・住宅ローンが使えない諸経費がある
建て替え時には一般的な住宅ローンや建て替えローンなど複数のローン選択がありますが、ローンに含めることができない諸経費もあります。特に建て替えの場合解体や仮住まい費用など諸経費の金額が大きいため、自己資金で用意するのは難しいケースも多いです。
【対策】⇒つなぎ融資を検討する
諸経費を自己資金でまかなうのが難しい場合は、つなぎ融資を利用する方法があります。つなぎ融資とは住宅ローンの決済前に必要となる手付金や諸経費などを一時的に借入れ、建物の完成とともに住宅ローンで完済する一時的な融資のこと。住宅ローンより利率が高い点はデメリットですが、資金不足による建て替えのストップを避けることができます。
・解体から完成まで時間がかかる
新築の工程に加えて解体が必要となる建て替えは、一般的な新築より工期がかかるのは避けられません。実家にご両親が住んでいる場合は、退去するまでの準備期間なども必要になるでしょう。建築会社の選定から完成・引っ越しまでは、一年以上かかることも少なくありません。
【対策】⇒余裕を持ったスケジュールを組む
建て替えの場合はあらかじめ時間がかかる点を知っておき、余裕を持ったスケジュールを組んでおきましょう。転勤やお子さんの新学期などで引っ越し時期が決まっているなら、仮住まいで近くに引っ越してしまうのも有効です。近くに仮住まいすれば建築中の様子も見に行けますし、打ち合わせの手間も省けます。完成後の引っ越しも距離が近くなるためスムーズになりますから、引っ越し回数が増えるもののメリットも大きいです。
■建て替えで発生する費用
実家の建て替えでは新築に加えて解体費用と仮住まい費用が必要となります。解体費用は一坪5～8万円が相場となっているため、仮に30坪の建物なら150～240万円が必要です。仮住まいは物件によっても変わってきますが、家族で暮らせる賃貸物件となると6～8万円が相場です。仮に6か月の仮住まいだと36～48万円が掛かります。
特に仮住まい費用などは予算を考えるときに見逃しがちですが、少なくない金額ですので注意しましょう。
■まとめ：実家の建て替えは経験豊富な大野工機にお任せ下さい。
老後の両親の暮らしなどを考えると、建て替えのタイミングやリフォームとの比較などは悩ましい問題です。ご実家の建て替えを検討する際は、建て替え経験が豊富でさまざまな手段を検討できる工務店にご相談ください。
大野工機は岐阜県恵那市を中心に建て替え実例も多く持っていますので、状況に合わせた最適なご提案が可能です。リフォーム事業も行っておりますので、ひいき目なしでリフォームと建て替えのメリット比較もお任せください。建て替えだけでなく、実家をどうすべきか迷っている方はお気軽にご相談くださいませ。
